SolidWorksの今後の方向性│ SWW2014レポート

By 西田将也 3720 日前

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今後Solidworksはどうなっていくのか。これからもSolidworksに頼って大丈夫か?

1日目のGeneral Sessionでベルトラン・シコCEOよりアナウンスされたのは,

「CADを中心に据えながら,他製品との連携を拡大する戦略を強めていく。」
(「米ソリッドワークス 非CAD製品を拡充」 1/30日刊工業新聞より引用)

ということでした。

これまでもEnterprise, Simulation, Composer, Electrical等 拡大してきた周辺機能の追加と連携をよりいっそう強めていくとのことです。

Solidworks社のビジネスとしては当然の流れかもしれませんが,ユーザーとしてはどうなんでしょう。
わたしは設計者で仕事上CAD機能に多くを依存しているのでさみしい気もしますが,わたしはユーザーにとっても望ましい流れであると思います。

(具体的にどういう機能が追加されていくかは,こちらの記事をご参照ください)


なぜ望ましいと思うかは,

Solidworks社がやりたいのは,3DCAD革命と同じような革命をもう一度,といわず毎年でも起こすことなんじゃないかと思います。

ご存知の通り,3DCADは2DCADを置き換えるだけのものではなく,革命的に生産性を上げるものでした。いま3DCADを手放してもこの先生き残っていけるという方はいらっしゃらないんじゃないかと思います。最初は使い物にならなかったですけど,結果的には生き残りに必要な武器となりました。

そして3DCAD機能は既にすごく便利なものになりました。今年のTop10Listを見ても,ユーザーの要望はマイナーなものに収まっていると思います。この先3DCAD機能の改善では爆発的に生産性を上げることは難しいでしょう。さらに爆発的に,さらに革命的に生産性を上げるには,3DCAD以外の機能追加しかないのは明らかです。

初期の3DCADと同じように,どの新機能も最初は使い物にならなかったり,既存の他のツールの置き換えにしかすぎないように見えても,数年後には爆発的に生産性を上げそれなしでは生き残れないツールになる可能性があります。

Solidworksの掲げる新機能は,どれも十分にそのポテンシャルを秘めていると思います。

どの新機能も,ユーザーの無駄な作業を排除し,設計本来の作業に集中できる環境を作ることを目的としています。もちろん,自分たちにとってどの分野の生産性を上げる必要があるか見極めることは重要です。そうした検討の結果,ある分野の生産性を劇的に改善しようと考えた時に,手軽に導入できるツールがあることはとても価値のあることだと思います。たとえ全部の機能は導入しなくても,あるいは全く導入しないとしても。

なので,Solidworks社が既存機能の強化にとどまらず,もっと革命的な生産性向上の試みを続けていてくれることはたいへん頼もしく,これからも心強いパートナーであってくれると思います。
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